自律神経
秋の疲れと自律神経の乱れ
はじめに
10月から11月にかけては朝晩の冷え込みと日中の暖かさの差が大きく、カラダがその変化に追いつかなくなる時期です。
「最近何となくだるい」「頭痛が続く」「腰が重い」などの不調を感じて無いでしょうか。
それらは秋特有の自律神経の乱れが原因になっているかもしれません。
秋になると“自律神経”が乱れやすい理由
人のカラダは気温や湿度の変化に合わせて体温・血流・発汗などを調整しています。
この調整を担っているのが自律神経です。
ところが秋は一日の中でも10℃近く気温差があり、寒暖差にカラダがうまく対応できなくなることで、自律神経が過剰に働き結果として疲れが取れにくくなります。
また秋は日照時間が短くなるため、体内時計を整える「セロトニン」の分泌が減少しやすく、気持ちの落ち込みや睡眠リズムの乱れにもつながります。
こうしたバランスの崩れが「慢性的な腰痛」「片頭痛」「肩こり」などを引き起こす原因となるのです。
自律神経の乱れと腰痛の深い関係
一見関係なさそうに見える自律神経と腰痛・頭痛ですが、実は非常に密接に関わっています。
自律神経のバランスが崩れ、「交感神経」が過剰に優位な状態が続くと、カラダは緊張状態に入り、末梢の血管がギューッと収縮してしまいます。
血管の収縮=血流不足: 血液は全身の細胞に酸素とエネルギーを送り届けるライフラインです 。血管が収縮し血流が滞ると腰や肩まわりの筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
酸欠が「痛み」の信号になる: 血液というライフラインが不十分になると、細胞は酸欠状態に陥り、「緊急事態だ!」という信号として「痛み」や「違和感」を体外に発します 。
慢性的な疼痛へ: これが自律神経の乱れによる緊張型頭痛や、筋肉の持続的な硬直による慢性腰痛の発生機序です。自律神経の過緊張(交感神経優位) → 血管収縮 → 血流不足 → 疼痛、という悪循環に陥ってしまいます。
したがって秋の腰痛や頭痛を根本的に改善するには、痛む箇所への対症療法だけでなく、その根源にある自律神経の過緊張を解除する必要があるのです。
整体では筋肉と関節をゆるめることで血流を促進し、カラダ全体の緊張を取り除いていきます。
鍼灸ではツボを刺激することで自律神経のバランスを整え、カラダを内側から温めていく効果が期待できます。
頭痛・めまい・肩こりも“秋の自律神経サイン”
秋になると「頭が重い」「肩がこる」「天気が悪いと頭痛がする」と訴える方が増えます。
これは気圧の変化+自律神経の乱れが原因であることが多いです。
自律神経のうち血管を収縮させる“交感神経”と、拡張させる“副交感神経”のバランスが崩れると、血管の収縮・拡張が不安定になり頭痛が起こります。
また冷えによって首や肩まわりの筋肉が緊張すると、後頭部の血流が滞り片頭痛を誘発することもあります。
こうした「秋の頭痛」には、首・肩の筋肉をゆるめる整体や、頭部・背中のツボを刺激する鍼灸施術が効果的です。
特に「風池(ふうち)」「天柱(てんちゅう)」「合谷(ごうこく)」といったツボは、自律神経を整え、血流改善にも役立ちます。
鍼灸で整える“秋バテ体質”
鍼灸は、体の内側にアプローチできる数少ない自然療法のひとつです。
秋バテによる自律神経の乱れを整えるには、「経絡(けいらく)」と呼ばれるエネルギーの通り道を意識した施術がポイント。
たとえば、
・百会(ひゃくえ):頭のてっぺんにあり、自律神経を整える代表的なツボ。
・内関(ないかん):ストレスや不安感、動悸をやわらげるツボ。
・足三里(あしさんり):免疫力を高め、胃腸の働きを助けるツボ。
これらのツボを刺激することで、全身の血流が促され冷えや疲れ、だるさを改善へと導きます。
継続的に施術を受けることで、自律神経が安定し季節の変化に強いカラダをつくることができます。
整体で「姿勢」から整える自律神経バランス
自律神経の乱れは、実は姿勢の崩れにも関係します。
スマートフォンやパソコン作業による「猫背」や「巻き肩」は、首や背中の筋肉を緊張させ、交感神経を優位にします。
整体では背骨や骨盤の歪みを整えることで、神経伝達の流れをスムーズにし自然と副交感神経(リラックスのとき作用する神経)が働きやすい状態をつくります。
施術後に「カラダが軽くなった」「呼吸がしやすくなった」と感じるのは、血流と神経の流れが整った証拠です。
また自宅でのケアとしておすすめなのが「深呼吸」と「軽いストレッチ」。
特に息をゆっくり吐くことで副交感神経が優位になり、緊張をリセットできます。
秋の夜は湯船にゆっくり浸かって、カラダを芯から温めるのも効果的です。
WHOによる「住宅と健康に関するガイドライン」では、冬季の室内温度を最低でも18℃に保つように強く推奨しています。特にこどもや心疾患など慢性疾患を持つ方の居られる家庭ではより高い温度設定が望ましいとされています。
(住まいと健康に関するガイドラインー国土交通省2018年7月)
日常でできる“秋の自律神経ケア”5選
1. 朝日を浴びる:セロトニン分泌を促して体内時計をリセット。
2. 首・お腹・足首を冷やさない:自律神経は冷えに弱い。
3. 夜更かしを避け、規則正しい睡眠を意識する。
4. カフェインの摂りすぎに注意:交感神経が過剰に働く原因に。
5. 整体や鍼灸で定期的にカラダをメンテナンスする。
これらを習慣にすることで、季節の変わり目の不調を防ぎやすくなります。
天王寺・上本町で鍼灸・整体を受けるなら
秋の自律神経の乱れによる不調は、放っておくと冬の冷えや慢性症状につながりやすくなります。
腰痛や頭痛、だるさなどが続くときは、プロの手によるケアを早めに取り入れるのがポイントです。
当院(例:天王寺・上本町エリアの鍼灸整体院)では、
• 自律神経のバランスを整える鍼灸施術
• 姿勢と筋肉のバランスを調整する整体
を組み合わせ、一人ひとりの体質・症状に合わせた施術を行っています。
「最近なんとなく疲れが抜けない」「天気が悪いと頭が重い」「腰の痛みがぶり返す」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
秋こそ自分のカラダを見直すチャンスです。
まとめ
秋は気温差や気圧の変化により、自律神経が乱れやすい季節です。
その影響は腰痛や頭痛、倦怠感などカラダのさまざまな不調として現れます。
鍼灸や整体はそんな季節の変わり目にこそ効果を発揮します。
カラダの外側と内側、両面からケアすることで自律神経のバランスを整え、スッと軽やかなカラダを取り戻しましょう。

カラダリセット